モロッコの伝統工芸品には、さまざまな文化や社会からの影響や要素が含まれています。古くから伝わるベルベル人の伝統、アンダルシア地方のムーア人の要素、アラブ人の影響、ユダヤ人の影響、そしてヨーロッパ、特にかつてモロッコに植民地支配をしていたフランス、スペイン、ポルトガルなどの影響があります。
職人の技術や技能は、父から子へ、あるいは師匠と弟子の関係で受け継がれていくのが一般的です。師匠のことを「マーレム」と呼びます。モロッコでは、伝統的な製法や技術が途絶えないように努力しており、様々な工芸品の振興とその存続を目的とした政府の取り組みが行われています。
工芸品は、建築、家庭用品、織物、衣類、装飾品など、さまざまな場所で見ることができます。
木、石、土、革、羊毛、金属など、地元の資源を使ったものが多いですが、シルクや大理石などの輸入品を使ったものもあります。デザインは、幾何学的な形、アラビアのカリグラフィー、自然界のものなどが一般的です。